三寒四温

今週は、初めての冬の新潟への出張を始めとして、久しぶりに多くの時間を事務所の外に出て過ごす事が出来た一週間でした。


寒の戻りもあるのでしょうが、先々週あたりはコート無しで外に出る事が厳しかった東京でも、天気の良い日の日中はポカポカと暖かい日差しさえも感じられる様になり、また朝早い時間に見かけた道ばたの小さな花の蕾が夕方には花開いている事もあり、徐々に春に向かう季節の移ろいを体感出来る今日この頃です。


昨年の4月には札幌への出張と石垣島への渡航が連続したため、日本の広さと同時に地域が持つそれぞれの非均質性を日焼けで皮が剥けてしまうという事で体験したのですが、今週の新潟県への出張でもやはりその時と同じ様な感慨を覚えました。新潟に向かう電車の車窓外に広がる雪景色に圧倒されながら、たまたま沖縄の友人からかかって来た電話でそれを伝えつつ、子供にも見せたいと何枚かの写真を撮影しました。

駅のプラットフォームの屋根に積もる雪。場所によっては走る列車の窓の高さ以上の雪が積もっていました。

話は飛ぶ様ですが昔初めて北海道を訪問した際に、上野発の夜行列車で青函トンネルを通って函館まで行き、そこで一泊した際に札幌に住む大学の後輩に「明日は札幌に行くので函館まで車で迎えにくる様に」と依頼(?)した事があります。今ではそれなりに北海道の土地勘やスケール感を持っていますのでこの様な無茶を言う事は有り得ませんが、少々口ごもりながらも函館まで来てくれたその後輩には今でも申し訳ない事をしてしまったと何かの拍子に思い出す事があります。ちなみに、彼は朝早く札幌を出発して午後に私を拾い、札幌に戻りついたのは深夜近くの事でした。
ただ、その札幌に向かう車中から見た、果てしなく続く雪のトンネルの事は今でも目に焼き付いており、また北海道の広さを身をもって感じさせてくれた彼には今でも感謝の念が絶えないのです。


さて、私の目には豪雪地帯健在なりと映った新潟の雪ですが、地元の人によれば地球温暖化の影響か年々雪の量は減って来ているとの事でした。以前は雪のためにテレビアンテナが立て難く、その事がテレビ放送の難視聴域たる大きな原因であった地域のケーブルテレビ局にとって、雪の減少は決して歓迎出来る事ではないのかもしれません。雪が多い事を決して望む訳ではないにせよ、雪の減少とともにケーブルテレビへの加入が抑制されかねない事に思い至るにつれて、物事の複雑さや二面性を改めて感じるのでした。


また、約一年半前にお邪魔した雪国小樽の夏が、汗ばむ程の熱さだった事も覚えています。北海道大学に勤める義理の弟からも昔はクーラー等必要になると思った事がなかったと聞いたのものその頃の事です。きっと今後は益々と色々なしわ寄せが顕在化してくるのでしょう。

後一ヶ月もすれば私にとっての春の大きな楽しみである土筆の時期になります。いつも土筆を採らせて頂いている分譲地に今でも家が建っていない事を祈るばかりです。

トップ写真:小説「ワイルドソウル」に出て来た、当社の近くにある元外務省ビルの前。賑やかな小鳥の声も聞こえ来ました。

追記:徳島では既に土筆が顔を出し始めたとの事でした。