2年ぶりの夏、20年前の夏、62年前の夏


関東在住の阪神ファンの友人諸氏に「今日は私が応援をして来るから安心する様に」と豪語して、CATVショウの景品で貰った真新しいタイガースのぶかぶかのユニフォームに身を包みワクワク感を抑えきれない様子の息子と乗り込んだ敵地後楽園球場(今でもこの呼び名の方がしっくりきます)。
取れたチケットが一塁側だったために、周りを巨人ファンにとり囲まれながら「かっ飛ばせー、あーかーほしっ!」と蚊の鳴くような声で応援を続ける私たち親子の声援も空しく、二人で肩を落としてトボトボと言葉少なに帰路につく事になってしまいましたが、翌日は2-15と言う歴史的な大勝をテレビ観戦し鬱憤を晴らしたのでした。

実は、久しぶりのプロ野球観戦を楽しみながらも、毎朝欠かさず楽しみに読ませてもらっている「自称阪神タイガース評論家」というブログに掲載されていたタマホームに関する記事の事が頭から離れず、バックスクリーン横の大画面に映し出される、大変傲慢で偉そうな話し方をするバラエティ番組の人気司会者による同社のCMを見るにつけ、野球と企業活動の繋がりについてあれこれ考えて応援に集中出来なかった事が、その日の敗因であると個人的には思っている訳ですが、いずれにせよ2年ぶりに訪れた夏の後楽園での時間を満喫する事が出来ました。

タマホームの件に関しては、以前このブログでもご紹介させて頂いた、私のケーブルテレビ局の皆様に対するプレゼンテーションの中で「全国ヤブ医者マップ」を例に触れた様に、CGMによってWebが持つ潜在能力が一気に開花し、個々が有機的に連携してやがては大きなメディア(=力)となるであろう事に期待して、微力ではありますがこのブログでもご紹介させて頂きます。

さて、先日見つけた古い友人の想いでブログ、まさに「女房子供に手を焼きながらも生きている」様子がひしひしと伝わって来て、彼の人となりを知っている私は時に大笑いしながら読ませてもらっています。最近のエントリーの一つでは、何と20年前にサークルの練習スタジオで録音したというテープをYouTubeを使って配信をしています。当時の私たちの貧乏学生ぶりは今では良い想い出ですが、従って金も無い、ましてや携帯電話もなくインターネットも普及してない時代のコンテンツが、この様な形で大きな時空の隔たりを経て私の元に届く事には、一種の感慨に似た感情さえも覚えます。そんな折、ふと思いついて私が愛用しているRSSリーダに登録されているRSSフィードの一覧を見渡してみたのですが、企業が配信する物と個人ブログの割合を比べてみると、ほぼ3:7と後者が圧倒的に多いと言う結果でした。「メディアの民主化」はこの様な形によって、或いはCGMとして少しずつ浸透して行くのかもしれません。

そして今日は長崎の原爆投下から62年目の夏。今年は元防衛大臣の不用意な表現を巡った熱い議論をあちこちで見かける事になった訳ですが、その影響や、そして先の選挙で自民党が惨敗すると言う結果もあってか、テレビで見る総理大臣のスピーチは例年よりも被爆者や犠牲者の立場に立ったものだった様に聞こえました。

野球観戦に興じ、昔の音楽を楽しみ、そして私が産まれる約20年前の大惨事の犠牲者の方々に対して黙祷を捧げる、まるで大木が年輪を重ねる様に、夏が通り過ぎる毎に楽しい想い出も、そして人間の罪や業さえもが折り重なり積み重なって行くのだという事をひしひしと感じるのでした。

ところで、新しく発表されたアップルのiLife’08に付属するiWebの新バージョンと.Macではトラックバックの機能がサポートされるのでしょうか?CGM発展の根幹の一つであるトラックバック機能、是非ともサポートをお願いしたいものです。どなたかご存知の方がいらっしゃったら教えて下さいませ。

写真:小学3年の息子に1年に1度は連れて行くと約束しているプロ野球観戦。今年は少し奮発して巨人 - 阪神のゴールデンカードでした。何故か東京ドームでの観戦は、いつも昔遊んだ野球盤を連想してしまいます。