再びiWeb問題


巷では世界で最も薄い事を謳い文句にしているMacBook Airが話題に上っていますが、SharpのMuramasaやMitsubishiのPedion、更には今は無きDECのDigital High Note Ultraの登場をリアルタイムで知っている私としては、決して歴史的には世界最薄でもなく、また今の私のPowerbookよりもディスプレイが小さい同機は少し中途半端に目に映り物欲が刺激されるまでには至っておりません。しかしながら、アップルの製品に対するこだわりを細かな作り込みの随所に垣間みる事が出来、一部のMacファンにとっては魅力的な製品である事は間違いないでしょう。

当社の会議室に置いてある液晶一体型のiMacを見て、未だに「本体は何処にあるのか?」と問い合わせる来客も多い事等から、製品のデザインコンセプトに他社が追随出来ないものがある事は誰もが認めるものでしょう。何を隠そう、私の机にはデスクトップのサブマシンとして2000年の夏に発売されたCRTのiMac Sageが鎮座しています。もちろん、最新のOSである10.5 Leopardで動かす事までは出来ませんが、8年も前に発売された個人向けコンピュータが、一世代前のOSであるTigerでちゃんと動く事は驚きと称賛に値するものだと思っていますし、モスグリーン色のスケルトンiMacは見ていて決して飽きのこない優れたデザインであると感じます。

ソフトウェアの開発業務ではユーザインターフェイスの部分を担当する事が多かった私が、アップルの製品を使い続けている理由は、そのマンマシンインターフェイスに心地よさを感じているからだと思っています。

しかし、同社の製品がいつも必ず優れていて非の打ち所がないと言うつもりも毛頭ありません。時として信じられない様な意味が全く解せない仕様に出くわす事もあるからです。最近では、iTunesのカテゴリ(ジャンル)問題。
邦楽と洋楽、クラシックからフラメンコ、ポップスから子供が車内で聞く童謡まで、多種多様なジャンルの音楽が入っている私のiTunesライブラリでは、入力の簡便さから基本的には英語名でジャンル分けをしていました。ある日、iTunesをジャンルからブラウズしてMac上で音楽を聴いていた所、再生した曲が急にリストから消えてなくなるのです。目の錯覚ではないかと自分を疑いもしましたが、再生と同時に確かに曲が消えてしまいます。これは、何とiTunesが勝手に何の断りもなく英語名で付与していたジャンル情報を日本語に変換していた為、当然表示中の英語名のジャンルには該当しない事になりますので別の新しい日本語ジャンルに移動していたと言う理由だったのですが、苛立を覚える前に空いた口が塞がりませんでした。

さて、昨年よりGoogle Analyticsを使って私のこのブログへのアクセス状況を知るようになり、アクセス数によっては継続して執筆する事の励みにもさせて頂いているのですが、私が一度だけ書いたアップルのiWebに関する記事が検索で引っかかる事によって当ブログを訪問して下さる方が意外と多い事に気づきました。
以前お話し致しました様に、私はアップルのiLifeスイートに含まれているiWebというアプリケーションを使ってブログを書いており、たまたまその疑問点や問題点を書いたエントリーが検索エンジンに引っかかっているのでしょう。検索キーワードは、「iWeb SEO」や「iWeb google 検索」、「iWeb Blog 問題」、「iWeb 差分」、「iWeb アクセスログ」と同じ様な疑問を持ち且つ同じ様に困っている私には、それらの検索条件を入力された方々の気持ちが痛い程良く解るものばかりになっています。

普段から、ネット上の情報を参考に仕事やプライベートに活用している私としても、もし参考になるのであればと、現時点で把握している情報をまとめてみたいと思います。iWebをお使いでない方にとっては全くどうでも良い情報ですので、ご注意下さいませ。

先ずは問題点から。

  • RSS抜粋か全文かの選択が出来ない

RSSフィードは、記事の抜粋を配信するか全文を配信するのか、どちらが良いかという議論が存在します。それぞれの意見には尤もな部分も多いのですが、私としては記事抜粋型を好んでます。ところがiWeb'06の時には抜粋だったものがiWeb'07になってから何の前触れもなく全文の配信に変わってしまいました。

  • ページ名が日本語

iWebが標準で対応しているアップルの.Macで問題がないから後は知らないとでも言うのでしょうか、ページ名やディレクトリ名が何と日本語になってしまいました。ページ名を英語化する為に苦労をされている方も多い様ですが、この仕様は愚の骨頂、まさに最悪です。
●回避に関する関連情報、アップルディスカッションズ:http://discussions.info.apple.co.jp/WebX?128@840.x2lXc8becvj.9@.f02c1db

  • カテゴリ

Blog機能を有する以上、カテゴリ分けに何故対応しないのでしょうか。以前、エントリーを沢山書かれているサイトを拝見した事があり、昔の記事を遡って読みたい時はアーカイブページが有効なのですが、アーカイブに何百ものエントリが一覧されている為に表示まで随分待たされた事がありました。

  • メタタグを記述出来ない

ページのタイトルや、検索エンジン用のメタタグを入力可能にする位、極簡単な事だろうに何故対応しないのでしょうか?アップルの頑な姿勢には何か理由があるのでしょうか?

Movable Typeを擁するSix Apart社が提唱した事が問題なのか、ブログの最大の特徴の一つであるトラックバックは依然としてサポートされていません。

  • 表示が遅い

.Macサービスが遅いのか、それも事実でしょうが、別のウェブサーバにアップロードした場合も同程度の情報量のウェブページと比べても明らかに表示は遅いです。

何れをとっても、中々理解し難い仕様である事は誰もが認める所でしょう。そして、今の所私は2番を除いて、これらに対する有効な対処法を見つけられていません。折角.Macに契約しているから、或は公開が簡単だから(?)、名刺にブログのアドレスを刷ってしまったから、とiWeb.Macを使い続けてはいますが、実は何度も周期的に環境を変えたいと言う衝動に襲われます。

さて次は、現時点で私が把握し実践してるTIPS情報です。

  • アクセスログ

アクセスログの機能はない!とアップのサポートに明言されて以来、.Macを解約するタイミングを模索していたらいきなりネットワークディスクのスペースが1Gから10GBに増量する等、まさに飴と鞭で顧客を離さない.Macですが、自分のサイトにどれ位のアクセスがあるかを知りたいのは極自然な欲求だと思います。これにうってつけなのがGoogle Analyticsであることは既に先のエントリーで述べましたが、Google Analyticsのスクリプトを埋込む場所を幾ら工夫しても、コメントの機能が消失したまま、これはまだ解決出来ていません。

  • タイトルやキーワード等のメタタグ入力

そもそも、web.mac.comというドメイン配下に数十万のウェブページが存在している事が理由なのか、得てして.Mac上のコンテンツは検索エンジンに引っかかりにくい印象があります。その上、titleも変更出来ず、keywordやdescriptionを自由に設定出来ないiWebの仕様は致命的です。
そこで私が愛用しているのが、「MassReplaceIt 2.9.1、サイト:http://www.hexmonkeysoftware.com/」というソフトウェアで、テキストファイル中の任意の文字列を複数のファイルを横断して検索して置換してくれます。例えば、全てのhtmlファイル中のABCメディアの民主化とグループ放送 に自動的に変換するといった具合にです。.Mac上のファイルの置換にはそれなりに時間がかかりますが、私が知る限りは唯一の有効な手段だと思います。ちなみに、このソフトウェアを最初に試した際には、日本語環境では原因不明の置換エラーが必ず発生し、一旦は利用を諦めました。が、その後、海外在住のソフトウェアの作者に相談をし、修正してくれる事に。作者が修正したものを私がデバッグすると言う事を何度も繰り返し、10日間以上のメールのやり取りを経て正常に処理出来るバージョンを提供してもらう事になりました。もし、依然このエラーに遭遇されて利用を諦められた方がいらっしゃいましたら、是非再度試される事をお勧めします。
ちなみに、Google Analyticsのコードの挿入にもこのソフトウェアを使っています。

トップ写真:それにしてもAirというネーミングは如何なものかと。日本語で言えば、例えばノートパソコン、その名も「空気」となるわけで。