Safariも万全に非ず


世界中の多くの地域がクリスマス休暇に彩られている最中、AppleからSecurity Update 2007-009が再リリースされました。再リリースと言うのも、ほんの数日前にリリースされた一回目のSecurity Updateに、Safariを始めとする他のアプリケーションに使用されているWebKitの不具合が含まれていた事が原因で、ある一定の条件下で何のアラートをする事も無くSafariが落ちてしまうと言う致命的な問題が発生しており、公式なアナウンスは無かったにせよ今回はそれを解決する為の再リリースだった事は間違いありません。

一回目のリリースの直後に、近日中このブログでも触れさせて頂く事になる、週末の大事なプレゼンを控えていた私は、そのような爆弾を抱えたブラウザを大勢の面前で使う様な勇気など持ち合わせていませんので、久しぶりにFirefoxを1週間以上メインのブラウザとして使う事になりました。
その昔、Netscape Navigatorが箱に入ってパッケージ販売されていた頃と違って、ブラウザのみならず様々なソフトウェアの環境を自由に変更できる点などはオープンソースソフトウェアに感謝すること大なる物があるのですが、さてさて久しぶりにFirefoxを(本気で)使ってみて驚く事になりました。
まず、Safariのブックマークを始めとしてあらゆる設定が瞬時にインポートされ、あたかもFirefoxをずっと使い続けていたかの様な(本当に)シームレスな作業の継続が可能でした。
しかも、ほんの少し前にリリースされた最新版のSafari3で初めて実装されたページ内検索やタブの移動等の機能を有しており、Apple社製であるSafari程のエレガントさは無いにしても充分な操作性が提供されています。

さて、無事に週末のプレゼンも終え、今回の再リリースをインストールしてWebKitの改善を確認した私ですが、再度Safariを使いだして驚いた事があります。それは、Safariのマシンに対する負荷。
たった3つのタブしか開いていないにもかかわらず、アクティビティモニタで確認するとSafariがCPUの60%を占有しファンを音を立てて廻していのです。ページを開いたまま何も操作しないにもかかわらず。Firefoxと違いSafariの場合には.Macとの同期等々ユーザインターフェイスに現れないタスクがある事も解るのですが、それにしても一体何をしているのか?と思ってしまう訳です。実は同様の事がアプリケーションと言うよりもむしろデスクトップアクセサリに分類されるべきiCalにも言えます。
エレガント且つ十分堅牢なMac OS Xだけにこの辺りの“粗”が却って目立つのかも知れませんが、甚だ残念ではあります。iPhoneiPodファミリー、そして新OSのLeopardで話題を独占する事によって地道にシェアを奪回しつつあるアップルですが、私はどうかこの粗が大きな落とし穴にならない様に願う同社の一ファンです。

今はなきDECのサーバーソルーションの中で2GBを超えるメモリーをVLM(Very Large Memory)と呼んでいた頃を知っている私としては、PC上で同じメモリ容量を扱える時代のアプリケーションにはもう少しシステムに対する最適化を望む次第です。

トップ写真:今年最後の射会の日、弓の道場の入り口付近から望む富士山。夕方には赤く染まった荘厳な姿を見れる事もあります。