デッドヒート


前の週の勝負プレゼンが終わり、ホッと一息つきつつ週末を過ごしています。

講演をさせて頂いた日を機会に当社のウェブサイトへのアクセスが急増しており、またオンデマンドで配信しているセミナーの映像の視聴数も日本全国から50を超える等、大変有難い事に私のつたない講演に興味を持って下さる方が大勢いらっしゃるのだと、しみじみと感謝の念を覚えています。

セミナーで私が話したかった事は多々ありますが、ポイントは2点。

一点目は、数々の政策の結果として計らずとも数百年という時間の中で育まれて来た地方独特の文化が、たった50年間で希薄化し町並みが均質化して行くという流れに対抗して地方文化を支えてきた事こそが、地域メディアとしてのケーブルテレビの最大の日本に対する貢献である事、そして二点目は、それが故に一般に言われる以上にコミチャン(自主制作番組)の価値は高く、またそれを求めるニーズが日本全国に潜在しており、広域連携のみならず全国連携する事によってシステム等のスケールメリットを活かす事が出来且つブランディングに繋がるという事でした。

どこまで私の意図を説明しきれたか、また理解して頂けたかは解りませんが、ケーブルテレビ局のある同世代の経営者の方から「津輕さんのモデルが成功するようであれば日本文化も安泰かもしれない」と事後に一通のメールを頂き、大変励みになり心から嬉しく思いました。また、先週末にはたまたま「えんぴつで奥の細道」を監修された山梨大学の名誉教授の方とお目にかかる機会があり、当社の事業コンセプトに関して大変好意的な受け止め方をして頂いたりもしました。私は、例えば、政府が都市部から地方に税金を納められる様に法整備をしようとしている事について「これは地方に対するリップサービスに過ぎない、仮にもし実現したとしても金だけ落としてどうするのか」との意見を持っていますが、先生を初めとして皆さんとの話の中で、同じ様な意見をお持ちの方が少なからずいるのだと言う事を実感し勇気づけられもしました。

いずれにせよ、これから当社の「Vojkru」を如何に事業として成立させ、質の高いサービスを継続して提供して行けるかが重要になってくる訳であり、また関係して下さっている方々や利用を表明して下さっているケーブルテレビ局の方々への責任であると決意を新たにしている所です。

さて、ここ数年間は週末の一日を道場での弓道の練習に、もう一日を三浦でのディンギーに充てるのが、私にとってのゴールデンパターンになっていたのですが、この週末は一年ぶり以上にそのパターンを実現する事が出来ました。

しかも日曜日は今年最初のディンギーレース、幸いに穏やかな天候に恵まれての開催でした。レースには5艇のレーザー艇がエントリーしたのですが、同じクラスの艇だけのレースは私が記憶する範囲では今までになく、従って(クラスによるレーティングの調整が無いため)着順が即レースの順位に繋がりますので、参加者全員が強い意気込みで張り切って臨んだレースになりました。

レース開始前まで北から東よりだった決して強くはない風が、レース時にはグルグルと振れながら最終的に南に変わり、従ってコース取りといった戦略が大きく順位に影響する大変面白いレースになりました。なんと第二レースの最終マーク回航時には、独走する一艇を除いた四艇が2〜3艇身以内に接近する等のデッドヒートとなりました。私たちのヨットクラブのローカルレースでは昔ながらのトライアングルコースを採用していますので、最終マークとはスタート(下マーク)〜上マーク〜サイドマーク〜下マーク〜上マーク〜下マーク〜ゴール(上マーク)と6回あるマークの5回目のマークの事であり、最後の最後まで如何に各艇が拮抗していたかがお解り頂けるかと思います。

右側から先行艇を猛追!

残念ながら私は独走する一艇の方ではなく、結果は第一レース5/5位、第二レースは惜しくも
4/5位の成績に終わってしまいましたが、まれに見るデッドヒートを繰り広げる事が出来た事と2レースともにドンピシャのタイミングでのスタートだった事がレースの後味を大変良いものにしてくれました。

レースの後の、久しぶりの静かな夕凪と刻々と表情を変える美しい海を見ながら仲間と飲むビールと焼酎は何とも素晴しく、ようやく訪れつつある夏の気配を一足先に運んでくれた様でした。

トップ写真:房総半島の向こうには入道雲が。まるで真夏の様に明るい日差しと、澄んだ海を楽しむ事が出来ました。