久しぶりの自宅

約2ヶ月ぶりの帰宅。照れくさそうに私を見る次女の笑顔が印象的だ。

息子とはかねてより約束をしていた、野球対決。フェンス代わりの土手やバックネットも備えられている近くのグランドで、ピッチャーとバッターに分かれての真剣勝負。打球が飛んだ方向によって、ヒットとアウトを判断し、もちろんランナーは透明ランナーだ。

小1から野球に明け暮れ、中学でも野球部に所属する息子に、果たして50前の私が太刀打ちできるだろうかと危惧もしたが、フェンス直撃の2塁打を含む4回の集中打で5点を上げた私の勝利。息子を無安打無得点に抑える事が出来た事は、嬉しい反面で何やら複雑な気分でもある。

彼が6年生の頃に私が勧めた左バッターへの転向も、徐々に様になってきている。二人の協議の結果ヒットにならなかった打球のなかには、奇麗な逆方向への流し打ちでの強い打球もあり、たまらなく嬉しくなる。

約4ヶ月間にわたって野球のボールから離れていた私にとって、もちろん勝敗の行方よりも何よりも、まだ息子と野球をする事が出来たのが最高の幸せ。単身赴任を続けるこの身には、こんな日常のありふれた出来事が無性に大切に思えてくる。

野球を終えて自宅に戻り、自転車のブレーキを調節している二人の肩に、やがて雪が落ち始めた。