さよならの季節


抜きつ抜かれつのデッドヒート、手に汗握る大接戦、ハラハラドキドキのゲーム展開を期待していた、東京ヤクルトスワローズのとのCS進出をかけた最終決戦2連戦が、私にとっては何の盛り上がりもないままに終わってしまった。CSへの進出を信じて応援を続けていた阪神ファン諸氏には申し訳ないが、私はCSという目標・目的よりもむしろ、その手段や通過点である好ゲーム一点のみを期待していただけに、昨年程ではないにせよ一種の不完全燃焼感を拭い去る事が出来ない。

そして例年と同じ様にシーズン終盤から始まった選手や監督の去就問題に関する報道の数々が、滅入った気分に追い討ちをかける。

例えば、ジェフウィリアムス。これ程までにファンに愛され、何年間も大車輪の活躍をし、そしてブルペンのキャプテン的な存在であり続けて来たウイリアムスを解雇すると言う。JFKが過去の物になってしまった事を寂しがっても仕方ない事は解っているが、阪神球団はファン不在のこの様な終わり方の他の選択肢を持たないのか。
今岡も阪神を去る。ほんの数年前に首位打者や球団記録を塗り替えて打点王に輝いた天才バッターの、今日のこれ程までの凋落を誰が予想し得ただろうか。「阪神守護天使・今日のおちちゃん」の今岡選手のマンガ(例えばこのエントリは最高)に笑いを誘われつつも、復活する事を信じて疑わなかったものだ。まだまだ若い35才。是非、新天地を見つけて活躍してもらいたい。

ただある程度の心の準備や覚悟をする余裕があったこれらの引退・退団劇はと違い、心の底から驚かされたのが元巨人の土井選手の死去。
3年前に長女がフィリピンと日本の子供達の「夢を絵にする」と言うコンテストで優勝した為、家族総出でその表彰式に出向いた時の事。その表彰式の来賓として参加していたのが、土井氏と篠塚氏だった。
同行した野球好きの長男に、「家の中でも何時でもボールに触れている様に」とアドバイスをしてくれた土井氏の、まさかその直後に癌を発病する事になる等とは想像もつかない、元気そうな様子で我々親子に気さくに手を振りながら会場を後にされた後ろ姿を憶えている。ご冥福を心から祈りたい。

トップ写真:勉強机の脇に掲げられた小学5年生にもなる長男の予定表。この子の将来が少し心配になる(笑)。