ポイント・マイレージと言う通貨


一時期、都内を走る電車の車内がTSUTAYAのポイントカードの広告で埋め尽くされていて驚いた事があるが、ポイントやマイレージを取り巻く環境は私の知らない所で急速に発展し、そして消費者に浸透していた。ポイントの効率的な獲得・利用方法に関する本が出版されている事位は知っていたが、最近になって各種サービス間でポイントを変換する経路を調べる為のサイト「ポイント探検倶楽部」の存在を知人に教えられた時には私のポイントサービスについての知識の無さに言葉を失った。

実際の話、私がJALのマイレージバンクに入会してから一度もANAを利用していない様に、ポイントカードは競合他社から顧客を囲い込む為の有効な手段として機能する事は紛れもない事実だろう。これと同じ事が、例えば外食チェーンや、家電量販店、ガソリンスタンド等の業種に於いても当てはまるはずである。

しかし、各種サービスの間で変換されて発行元とは違う所で消費されると言う事によって、ポイントは一種の(立派な)通貨として流通している訳であり、その時点で単なる囲い込みの手段と言う枠組みを超えてしまっている。
ところで現時点で使われていない(使われる潜在的な可能性がある)日本中のポイントの累計は500億円にも上ると言う。企業がポイントを発行するためには、その原資となる現金を金融機関に預託する必要がある為、仮にその現金を発行済ポイントの50%として計算しても、合計で750億円もの埋蔵金が存在している事になる。一部の永久不滅ポイントサービスを除いて、殆どのポイントはその期限によって自然に消滅する運命にあるものの、万が一全てポイントが一度に使われたならばどの様な事態が起こるのか想像もつかない。

と、この様な事を日々勉強しつつ、とある企業の紙媒体のポイントカードサービスを、ITを活用してより高度なものへ発展させる為の提案に頭を悩ませる日々が続いている。