灼熱の中の静寂

10時53分。まるで俄雨でも来るかのように周囲が暗くなり、それまで強烈に降り注いでいた太陽の力強さが徐々にかき消されていく。つい先程まで、夏を謳歌していたかの様な蝉の鳴き声のシャワーも、いつの間にか止んでいることに気づく。

たまたま沖縄本島での日食に居合わせることが出来た私ではあるが、皆既日食の瞬間を目撃しようと鹿児島県の南の島々には、この数分間のために大勢の人がわざわざ駆けつけという。
気象庁の発表によれば日食の間に那覇市で1.5度の気温の下降が観測されたというが、実際に現場で体験した私は、ざわざわと吹き出した風も影響したのだろうが、まるで戸外にクーラーが設置されているかのような涼しさを感じた。

日食前の照りつける太陽

輝きを失い、周囲に虹を纏った太陽


小学生並みの感想で恐縮だが、月がほんの数分間太陽を遮るだけで地上はこれ程の影響を受けるのものなのかと、改めて太陽エネルギーの強大さを思い知らされた。