ネット販売:JANコード

私には小売業に従事した経験が無い。従って、当社にもこれまでは一般消費者向けの商品は存在しなかった。

10数年に亘って、企業や大学向けのシステム構築・販売、又は放送局向けのASP(簡単に言えばインターネット上のサーバコンピュータを利用したサービスの提供)を事業の中心として来たため、商材の値段に関わらずいわゆる「納品・検収月末締めの翌月末払い」といった商流の中での仕事しか知らなかったのである。
そのため、昨年冬から行なっているソフトウェアレーザーポインターの販売で、極端に言えば手売りをしてその場で代金を頂戴し、さらに1〜2万円の領収書を切ってお渡しすると言う行為その物が新鮮、且つ面白くてならない。鞄の中にカーボンコピー式の領収書をいつも持ち歩いているのである。

そこで思いついたのが、インターネットショップ。繰り返しになるが、これまでそのようなシステムを提案し、開発し、提供した事はあっても、自らがユーザとなって何かを売るという経験は持っていない。私の様にシステム開発・コンサルティングを生業にしている同業者の中でも、意外と自らがエンドユーザになった経験を持つ人は少ないのではないだろうか。

さて、ネット販売を気軽に始める方法として、自分でショッピングサイトを立ち上げる方法もあるが、時間と手間をかける事無く、そして経験と言う意味でも誰もが使えるより一般的な方法としてアマゾンを選択してみた。
利用するのに必要な手続きや手数料は、携帯電話の料金プラン程は複雑ではないにせよやはり想像通りに簡単に一目瞭然と言うわけにはいかなかったので、以下備忘録的にまとめてみた。
仮に、当社の製品を14,980円とすると、

  • 月間予想注文数が40以下の場合は、個人出品者で登録: 15%+140円(カテゴリー成約料:PCソフト)+100円(基本成約料)=2,247+140+100=2,487円
  • 出店型出品に登録する(月間登録料4,900円、販売手数料15%:PCソフト)

  • e託販売:商品の販売権を有しており、商品にはJANバーコードの印刷が必要:手数料は37%、年会費が9000円、消費者への発想はAmazon負担だが配送センターまでの送料は事業者負担

との事だった。当社の商材であるソフトウェアレーザーポインターがエレクトロニクス製品なのか、PCソフトウェアなのかが分かりにくいが、USBメモリに予めインストール済みの製品と言う事から取り敢えず手数料の比率も高いPCソフトにしておけば間違いが無いだろうと、今回はPCソフトウェアで手続きを進める事にした。

さて、ここで第一の関門、e託販売のケースみならず、製品にJANコードが必要だと言うのである。もちろん、この製品の販売権は当社が所有しているのでその点の問題は無いが、カーボンコピー式の領収書同様にバーコードも私にとっては未知の経験なのである。

これまでに解った事は、

  • 商工会議所に行けば申請の手引きを入手出来るが、一部1,200円である。※商工会議所への加入は必須ではない
  • コードは、原則9桁の企業コードと3桁の商品アイテムコード、1桁のチェックデジットからなる。このため、商品アイテムは一つの企業コードで999個まで登録可能
  • 商品アイテムコードは独自に採番して良いが、POS等の流通システムや商品データベースと連携させる必要があるなら、JANコード総合商品データベース(JICFS/IFDB)に登録する。これは、無料。
  • 年商によって変わる新規申請料は当社の場合10,500円、3年毎の更新料もほぼ同様。

という事。先ずは、JANコードの申請から始めてみる。

トップ写真:財団法人流通システム開発センター発行の「JAN企業コード利用の手引き」、1,200円。