弦音


「汚いから早く替えなさい」と言う先輩の指導も聞かずに、弦切れの時の処理を覚えるためだと、なるべく切れるまで弦を変えないようにしていたが、先日の巻き藁での稽古の時に目出度く弦が切れた。

現在は23Kgの弓を引いているため、本来は少し太い弦にする必要があるらしいが、手元に残っていた1号の弦に張り替えてみて、その弦音に驚いた。

書いて字の如くに「弦音」という程に、離れの時に音を発するのが弓ではなく主に弦である事をすっかり忘れていた私は、久しぶりに小気味良い音を発するようになった離れに少しだけご満悦になる。