海辺の通せんぼ


三浦半島を取り巻くように散在するの殆どの小さな漁港で、恐らくここ10年の話だと思うが港や海岸に続く一本道に人一人が入れるほどの小さな仮設小屋が設置されているのを見かけるようになった。


元来が閉所恐怖症の私にとっては、しかも暑い夏のシーズンにあの箱の中に入るようなことは拷問以外の何物でもないが、その中にいる大抵は高校生ぐらいの若者か年配の婦人は、駐車料金500円(土日祝日は1,000円)、それに加えて緑化協力金20円という小銭を当然の事であるかの様に無条件に徴収している。

実はクルーザの廃船を決めた理由のひとつに、ホームポートでもある三浦宮川フィッシャリーナへのアクセスの度にこの意味も使途も理由も何も解らない通行料を徴収される事にうんざりしたと言うことも少なからず影響している。金の問題ではなく気分の問題である。


そもそも近代・現代の漁港は、国や自治体が税金によって整備したものである。この事に勿論異を唱える余地もそのつもりもないが、なぜ漁業従事者がこれをあたかも私物化して副収入を得る権利を持っているのだろうか。彼らは、自治体によるものとは到底思えないプレハブの料金徴収人用の簡易居住ボックスを漁港の入り口に設置し、料金を払わない限り先に行かせない仕組みになっている。が、道路を通行する権利はガソリン税を支払うという形で誰もがきちんと保有しているはずなので、通行料や使用料を支払えといわれるいわれは一切無い。これでは無法地帯と同じである。そもそも、駐車場経営に人手を割く余裕があるのならば、少しでも本業である漁業に力を入れるべきではないのか?


もしかして私には計り知れない正当な仕組みや理由が存在するのかもしれないし、むしろ是非そうあって欲しいものだとも思うが、どなたかこの問題に詳しい方がいらっしゃったら、お叱りでも結構なので是非教えを請いたいと思うのである。


トップ写真:長らくお世話になったヨットハーバ。