面白い本屋(本屋の鏡)

近所の少し大きめのスーパー「ユニー金沢文庫店」での事。相変わらず私には何故これほどの時間がかかるのか到底理解する事が出来ない家人や娘の買い物に心底辟易しつつ、ふらりと立ち止まったのがテナントとして入居している本屋だった。何故か店先にウッドベースコントラバス)が鎮座し、飛行機の機内販売雑誌で良く見かける、あのあたかも小刻みに動く人形が演奏しているかの様な音楽プレイヤからは小さくJAZZが流れている。


何よりも眼をひくのは、店舗の中に入って直ぐ右側にある地元を扱った本や雑誌のコーナーである。そこには、各種地図や地域を走る京浜急行の特集本、地元の料理店特集、そして何と本屋オリジナルの地元イラストマップや地域の名産でもある蝦蛄をあしらったハンカチ等のグッズまで存在するのである。

書店オリジナルの金沢文庫パノラマ鳥瞰地図の写真。サイトには金沢区民一人に一枚!との記述、もちろん私も一枚購入したことは言うまでもない。特別付録の金沢観光名所案内すごろく付き。


その本屋は「地元才能発掘書店岩下書店」というのが正式名称のようだが、良く出張先でも本屋に立ち寄る機会が多い私にとっても、これほどの地域密着型本屋は見た事が無い。というよりも、そもそも地域密着型本屋そのものを他には知らない。


この書店のこだわりは店舗やその品揃えだけに留まらず、大変立派で盛りだくさんのコンテンツを含むウェブサイトを運営されているばかりか、シャコラジオなるポッドキャスティングまで配信している。

本を愛し地元を愛するプロが経営する本屋とはこういう物ではないかと、心底感心させられる。本屋に限らずとも出張先でこんな店を見つけられた時程、嬉しい事はない。常々思い、且つ自らも痛感する様に、仕事とはオリジナルの発想とアイデア、そして実行力が何よりも大切なのである。

トップ写真:店舗を入って直ぐ右側の地元縁の本雑誌、そしてオリジナルグッズコーナー。