QuickTimeのバグ

アップルの公式サイトによれば、以下の手順を踏む事によってクイックタイムムービーに章(チャプター)を付ける事が出来るとあります。
http://docs.info.apple.com/article.html?path=QuickTime+Player/7.0/jp/c3qt20.html

チャプターを付ける事が出来ると何が良いのか?と疑問に思われる方も多いとお思いますが、例えばiPodで通勤時に見たいビデオの見たいシーンを探してみる事や、DVDを作成する際にシーンのインデックスを作ってみたい箇所から見る、という事を想像して頂ければ、チャプタの効用も容易に理解して頂けるのではないかと思いますし、映像クリエータにとって素人やプロを問わず必須の機能である様にも思います。


ところが...。

前記のアップルによる記述をもとにチャプタ付けの作業をしても、何故か同じチャプタ名が重複して表示されて思う様な結果を得る事が出来ません。QuickTimeのバージョンアップの度にこの問題が解決されているかチェックを続けて来ている私ですが、一向に改善の気配が見られません。


あまり一般的には知られていない事かもしれませんが、例えばQuickTimeに限らず、Windows Media Videoでは複数の言語トラックを持つ事が出来、その事によって例えば同時通訳された音声トラックを後から追加する事によって多国語対応のビデオコンテンツを作る事も可能です。
この様に、各社それぞれが自らが提唱するビデオのフォーマットに工夫を凝らす事によって、マーケットでのシェア争いを展開している訳ですが、再生するプレイヤによって各ビデオフォーマットの利点が活かせない現実を見ると、VHS対βでマーケットに混乱をもたらすことになった数十年前の家庭用ビデオ規格の争いを思い出さずにはいられません。


さて、話を戻しますが、QuickTime Movieにチャプタを追加する手順としてアップルが示している情報に則って幾ら作業を繰り返しても満足なアウトプットを出す事が出来ない私は、手順の14番目に記述されている「選択範囲に調整して追加」を実行するのではなく「ムービーに追加」を選択する事によって、数年来の問題が一気に解決してしまいました。やっと出来る様になった嬉しさと勢いのままに、同様の発見をされた方がいるのではとウェブを探してみましたが、やはり“かな苫庵「iPod用の動画にチャプターを作成」”を始めとして先人が何人かいらした様で、ウェブでのCGMによるトラブルシューティングとメーカサポートの質の違いを再認識する事となりました。

お陰様で、親戚の為に編集している先日のカジマヤーのDVDにも、「シーンを選択して再生」というメニューを追加する事が出来たのですが、この様な既知のバグに対するアップルの対応には少なからず疑問を感じてしまうのでした。

トップ写真:チャプターを付ける事が出来たDVDのメニュー画面