埠頭を渡る風


【2008年10月18日:あまりにも小学生の読書感想文の域を出ない様な文章でしたので、加筆修正してみました。】
珍しく車で仕事に出掛けた帰り道、何とはなしに思いついて横浜は大桟橋にふらっと立ち寄ってみました。

秋晴れの晴天のもと、大桟橋の屋上の通称「クジラの背中」には何とも言えない心地よい風が吹いています。折しも出航をひかえた「ふじ丸」では、桟橋の見送り客と船の乗客との間に紙テープが渡され、しかしながら少し強すぎる風が色とりどりのテープを吹き飛ばしてしまっています。

出航して行く船の舷側には企業の洋上セミナーとの横断幕、どんな航海であれども、この様に晴天に恵まれ大勢の見送り客に祝福された船出を迎えられるとは何とも羨ましく思えました。
今、この時にも上司や取引先の担当者に叱られたりしている人もいれば、病に臥せっている人、都内の狭いオフィスで事務をしている人、渋滞の道を時間を気にしながら運転している人、汗を流しながら重い荷物を運んでいる人、締め切りや工期に追われながら原稿やプログラムの仕上げに眼を回している人、同じく仕事をしている他の人と比べた場合、こんなにも恵まれた環境はないと思うのです。

晴天のクジラの背中と出航するふじ丸。大桟橋を吹き渡る風を残し留めるには、携帯電話のカメラと私の腕では無理がありますが。


人それぞれに与えられた時間や時間軸は同じであるなら、そして運の巡り合わせや与えられた境遇のせいで、この様な秋晴れの爽やかさを体験する機会を逸してしまっているのなら、今までにない程に通信環境やコンピューティングの環境が整備された今日ですから、ノートパソコンとモデムを抱えてオフィスを飛び出してみるのも一考に値すると思う訳です。

それにしても近くで実際に目にするのは初めてだった「ふじ丸」の何倍も大きい「飛鳥II」の大きさには圧倒されました。

トップ写真:巨大な飛鳥II。