PowerPC G5 MacでAVCHD

ゲーム機を始めとするコンシューマ製品の進化の早さにはいつも驚かされる事が多いのですが、半年程前に友人に譲ってもらったSONYのビデオカメラHDR-SR7をここ1ヶ月の間、頻繁に使う機会があり、本来は私の本職にも近いデジタルビデオの技術の進化に改めて感嘆する事となりました。
弟の結婚式、次女の幼稚園最後の運動会、そして先日沖縄で行なわれた家人の祖母の「カジマヤーのお祝い」と、短期間の間に立続けにプライベートなイベントがあったのですが、そんな折に私に命ぜられるのはカメラマン。そのお陰で、当のイベント自体に自らが参加したと言う印象は薄くなってしまうので、本来は辞退したい役柄ではあります。ただ、一生に一度のイベントを映像で残したいと言う気持ちは勿論私にもありますし、また最終的なビデオ編集やDVDの作成まで考えると、結局は進んでその役を拝命する事になってしまいます。


さて、以降はご存知の方に取っては釈迦に説法になりますが、iMac G5を使ってAVCHDで記録された動画を編集する為にここ2〜3日間で調べた手法を、私の備忘録を兼ねて書いておきたいと思います。

IEEE1394(=Firewire、iLinkと同じ)でMacに簡単に接続出来るminiDVやDVCamのカメラと違い、ハードディスクレコーディングタイプであるHDR-SR7とMacはクレードル経由のUSB接続になります。またDVカメラの場合はQuickTimeiMovie等の付属のソフトウェアで、Macへの取り込みから編集までを手軽に行なう事が出来ますが、AVCHDのデータの場合はそうはいきません。
まず、Macにマウントされたカメラ本体のデータをコピーするのですが、/BDMV/STREAM/の中に収められている0000*.MTSという映像データは、そのままでは編集はおろか再生さえ出来ないからです。
Intel MaciMovie 08(又は最近のFinal Cut Pro)の組み合わせの場合には、この様な問題点もなく、従って大した苦労もなく取り込みも編集も出来る様なのですが、例えばIntel MacのオーナーであってもiMovie HDとFinal Cut Expressを使っている様なユーザは、その恩恵を享受する事も出来ません。

10月20日追記:Final Cut Express 4.0.1でAVCHDに対応したとのリリースが発表されました。但し、Intel Mac限定です。

こんな場合に利用可能なソルーションは何とたった一つだけ。マウントしたカメラからコピーしたMTSデータを、AICApple Intermediate Codec)ファイルに変換するのです。圧縮率が高いAVCHDデータは、そのまま編集する様な用途には不向きである為、編集作業に向いたAIC形式に一旦変換する訳ですが、その作業に使用可能なソフトウェがVoltaicHD for Mac(34.99ドル)だけなのです。


インターフェイスも優れたこのVoltaicHD、早速購入して使っているのですが、約1時間のビデオデータを変換するのに必要な時間はと言うと.....。

iMac G5で変換を始めてから既に10時間近くが経過した現時点の予想残り時間は12,000分。この数字が正しいとしたら、AICデータへの変換が終了するのは約8日後という事になります。ちなみに、AICに変換した際のデータ容量は元データの約6倍。AVCHDの高圧縮技術を素直に凄いと感じます。
取り敢えず最後まで変換してみようと決めた私としては、この間の停電がない事と子供がふざけて電源ケーブルを抜かない事をひたすら祈るばかりなのですが、このエントリを読まれた皆様には、最終的なアウトプットが所謂DVDビデオであるならば、HDR-SR7のアドバンテージであるSD撮影も可能という利点を活かして、なるべく高品位な撮影を避けられる様、激しく強くお勧めするのでした。


ちなみにAVCHDについては、以下のサイトに一般ユーザに取っては必要十分な情報が上手くまとめられています。
私の様に今だにPowerPC G5のMacを使っているユーザも、もちろんIntel Macユーザにとっても役に立つと思いますのでご紹介しておきます。

10月19日追記:変換にはやはり8日以上かかりそうです。現時点で一度アプリが勝手に終了していたために時間をロスしてしまい9〜10日の時間を要しそうですが、それにしてもOSは一度も落ちたりしません。改めてMac OSの堅牢さを実感しています。
変換には結局10日かかりました。が、オリジナルの映像は2時間強だったため、1時間で8日以上と言う記述は訂正致します。AICファイルに変換した後の容量はオリジナルの5.4倍という結果でした。
トップ写真:VoltaicHD for Mac