動画あります、ふるさとの新聞


数週間前から気になっていたのですが、以前もお伝えした様に私がRSS配信を登録している日本各地の新聞社のうち、タイトルに【動画あり】という表記がついている記事が見られる様になった新聞社のサイトがあります。佐賀新聞http://www.saga-s.co.jp/)がそれです。例えば、「小梅の収穫始まる 伊万里【動画あり】」というタイトルの記事の横には、収穫の模様を伝える程よいサイズのビデオが再生出来る様になっており、記事だけでは伝える事は難しい梅の木の葉ずれの音や農家の方の陽気な笑い声とともに、一分足らずではありますが記事を補完するのに必要十分な映像を視聴出来る様になっています。

ざっと見てみた所、このサービスの特徴は、

  • 何れも一分程度の動画である事
  • BGMがないものが多い事
  • 大きなフォントによるテロップが映像のオープニングに付与されている事
  • 凝った映像編集はされていない事
  • 時折、プロではないインタビュアーによるインタビューを伴う事
  • 外部のBLOG等へのエンベッドの情報が提供されていない事
  • YouTube等の既存のサービスを使用せず、また従ってサービス業者のロゴを伴わない事

等が上げられます。恐らく映像の撮影やインタビュー等は専任のプロのカメラマンではない様な気もします。

さて、これは少なくとも私が知る範囲では新聞社のサイトとして日本で初めてオリジナルのニュース映像を配信しはじめたケースだと思うのですが、既に利用出来る形で存在している技術を用いたこういったサービスこそが、新聞社のサイトのプレゼンスや価値を効果的に高める方法の一つであり、当社がVojkru(ボイクル)P.A.というパッケージを使って各地の新聞社に実施してもらいたいと思っているサービスの一つでもある訳です。
もちろんプロフェッショナルな映像である事に越した事はないのですが、この様に取材記者が自ら数分間カメラを廻す事によって、従来にない映像資産を新聞社が手にする事も出来、またそれらを効率よくアーカイブする事によってその資産価値は高まる事はあったにせよ減る事は有り得ない筈です。また逆転の発想かもしれませんが、関係のある近隣のケーブルテレビ局とのコラボレーションによって相互のウェブサイトのコンテンツを補完しあう事も出来るかもしれませんし、何よりも私はローカルなスモールビジネスの動画CMという新しい収入源が見つかる様な気がしてならないのです。


昨年から今年にかけて実は初めて年末年始を横浜で過ごした私は、出張の関係で一年ぶり以上に京都府亀岡市にある実家に宿泊しました。亀岡では、昔から家族ぐるみでお付き合い頂いている地元の新聞社の社長にお目にかかり、当社のビジネスアイテムと地域紙との協業によって地元の活性化のためにどの様な貢献が出来るのかと言った視点からのディスカッションをさせて頂く機会に恵まれ、数時間に及ぶ議論の成果はいずれ何らかの形で具現化するべく共同ビジネスを展開したいと思っているのですが、その一つの具体的な形がこの佐賀新聞のサービスでもある訳です。

さて、私が京都市内にある高校に通っていた頃の冬の寒い朝、JR線に乗る為に自転車で毎朝通った亀岡駅は、高倉健の映画に出て来る程には少々垢抜け過ぎていたかもしれませんが、石油ストーブが似合う様なそこはかとなく趣のある駅でした。その後も、JRで帰省する時にはいつも亀岡駅の古ぼけた風情にふるさとに帰ったと言う実感を覚えていたものです。その駅が新しく建て直される事は何年も前から聞いてはいましたが、今回初めてリニューアルされた駅舎を見て呆然としてしまいました。

南郷公園入り口付近にある立て看板。

明智光秀築城の亀山城の城下町でもある亀岡市には、例えば城の堀の跡を整備する事によって今ではフナ釣りの人や夕涼みの人が絶える事がなくなった文字通り市民の憩いの場である南郷公園等の、古くからあるものを上手に活用した町づくりが随所に見られる様になりました。新しいJRの駅舎がそんな城下町に相応しいものか否か、このブログを訪れて下さった方にも是非この写真を見て考えて頂きたいと思います。

新しく生まれ変わったJR亀岡駅舎。地元の有名な川下り「保津川下り」の船をイメージしたデザインだとか...。

都会で暮らす私の様な亀岡人が日常的にふるさとのニュースを見る事が出来る様な時代だったなら、もしかすると、この様なふるさとの景観を破壊する様な一種の暴力に近い行為に対する何らかのアクションが起きてたいかもしれない、そんな気がする初夏の一日でした。

トップ写真:水辺に遊歩道も設置された南郷公園。数年前まで、朝5〜6時頃に詩吟をされているお爺さんを見かける事がありましたが、今でもお元気にされているのでしょうか。