何故無いんだろう?


その昔、愛機PowerBook165CでYooEditというテキストエディタを使っていた時期がありますが、ノートパソコンとはいえまだまだ重量も容量もかさばるそのMacを頻繁な出張に持って行くのは中々辛いものがあり、企画書や報告書を書く機会が山の様にあった私はせめてそのエディタの機能だけを切り出したデバイスが無いものかと常日頃考えていました。
そこに登場したのが、NECインフロンティアモバイルギア。充分なキーピッチを持ち打鍵感にも大変優れたキーボードを備えたこのマシンは、その後一部の愛好家の中で語り継がれ、また今もなおオークション等で取引される程の完成度の高い稀に見る良いソルーションでした。
その後、日立のペルソナや富士通の確かインタートップとか言う名前の類似製品の登場を誘発した後に、OSをWindows CEに変えて何世代かのモデルチェンジをし、モバイルギア for DOCOMOという形での携帯電話による通信機能の拡張やゼロハリバートンのデザインによるシグマリオンというコラボレーションを経て、マーケットに於けるその使命を終える事になりました。

私は、単三乾電池で長時間駆動するMC-MK12と言うモデルと、モバイルギア for DOCOMOのモデルを1つ保有していましたが、出張時の原稿書きはもちろんの事、メール確認や返信でも十二分にもとが採れる程に使い倒したものでした。ちなみに知人の、同じく文章を大量に書く事が多い弁理士の先生から頂戴したOASYS POCKETも所有していました。残念ながらPowerBookとのデータのやり取りが煩雑だった為にさほど利用する事は無かったのですが、搭載されていたワードプロセッサの変換機能の秀逸さや、同じく完成度の高いキーボードにより多くの愛好家を集める名機だったようです。
さて、モバイルギアシリーズがマーケットでの役目を終える事になった理由を私なりに考えてみると、その後このマーケットに参入した富士通同様にB5サイズに移行したり、またWindows CEの搭載によって却って軽量化が進むパソコンとの差別化が難しくなった事、つまりシリーズの当初のコンセプトから徐々に逸脱していった事が原因ではないかと思っています。つまり製品が売れなくなったのは、ありきたりの話ではありますが、ユーザニーズをきちんと把握していなかったからだと思うのです。
この手の機器に求められる事は、決してパソコンの機能に近づいて収斂していく事ではないはずです。


さて、私自身も以前にも増して企画書や提案書等々、日常的に多量の文章を書かなければならない事に変りはなく、またそれに加えてブログをせっせと書き綴る日々が続いています。ブログは仕事ではありませんから、昼休みの空き時間や、夜間、休日にキーボードに向かう事が多いのですが、通勤中やちょっとした予定の谷間の時間にさっと鞄から取り出して文章が書けたら良いなと思う事が多々あります。また、ブログに限らず、そう言う時に頭に浮かんだアイデアを気軽に打ち込みたいと思う事もあります。
そしてこんな時に重宝するのは、やはりモバイルギアの様なデバイスだと、つくづく思う訳です。

当時よりも技術が進んだ今では、更に筐体を薄くしたり、またWIFIを搭載する事も可能であり、micro SDというGB単位のメモリも存在します。そこで、私なりの夢の携帯デバイスを考えてみました。


薄くてエレガントなアップルのキーボード。
  • もちろんフルキーボードである事。但し数字専用のテンキーは要らない。もちろんリターンキーの右側に余計なキーは不要。キーピッチは14.5mm以上。
  • 液晶のサイズが横800pixel以上である事。高価になるくらいならカラーでなくても構わない。
  • WIFIを搭載している事。
  • 内蔵・有効ストレージ領域は1GBもあれば充分。
  • SDカード等のスロットを一つとUSBポートを一つ有している事。
  • テキストエディタ、ウェブブラウザ、写真管理のアプリケーションを有している事。また、それ以上のアプリケーションを有していない事。
  • 何らかのポインティングデバイスを有する事。
  • 軽くかさばらない事。重量が1Kgを切る事はもちろん、できれば6〜700g程度が良い。
  • バッテリは3時間以上の連続使用に絶え得る事。


カレンダーや住所録等のPIMソフトは、ブラウザでオンラインサービスを使えば良いので一切不要です。ポインティングデバイスについて言えば、例えばファンクションキーを押す事によって、TYU-GH-VBN辺りのキーがトラックパッドになるなんてのも良いのではないかと思います。また、デスクトップPCやマックと接続する事によって、このデバイス自体がキーボードとなり、また接続中に充電されるというのも大変面白いとも思っています。またアップルの.Mac等のオンラインストレージサービスに対応すれば、他の環境とのデータのやり取りもスムーズになる筈です。

日本中、いや世界中のブロガーの皆様、また弁理士先生を始めとして業務上大量の文章を書かれる皆様。こんなデバイス欲しいと思いません?

トップ写真:アップルの最新式ワイヤレスキーボード。このキーボードにディスプレイが付属してるのが私のイメージです。