iWeb問題、検索エンジンとSEOなど


Blogで仕事に関する雑感を記し始めて、はや一ヶ月。お陰様で「奇麗に出来ている」「良く書けている」とのお褒めの言葉を頂く事もあり、また、仕事で知り合ったばかりの方からも様々な形で鋭い考察やご評価を頂いたりと、少なくとも私と言う個人を理解して頂くには最適なツールであると感じる事が多い毎日です。

ところで、その「奇麗に出来ている」に関してなのですが、何を隠そう私はアップルの「iWeb」という8,800円で買えるiLife ‘06(新しいMacintoshには無償でバンドル)に含まれる初心者向けのパッケージを使っています。

その昔、「HTMLは手書きで憶えなさい」と指導させて頂いた元部下の皆様には大変申し訳ないのですが、このソフトは予め準備されたテンプレートに画像やテキストをはめ込んでいく事によって、HTMLの知識が無い誰もが見栄えの良いウェブサイトを作れる事を売り文句にしています。実際に私が作っているこのBlogや会社のウェブサイトについても、iWebのテンプレートを見た事がある人からすれば一目瞭然に制作環境がばれてしまう事でしょう。ただし、少なからずITの業界に身を置くものとして、例えば生成されるCSS(簡単に言えば色や文字の大きさ等のウェブページの見た目を定義するファイル)をテキストエディタで修正をしたり、また少しでもテンプレートのおかしな所などは修正をする様に心がけてはいます。

初心者や私の様なものぐさ者が、簡単に見栄えの良い頁を作ると言う事に割り切ってしまうならば、iWebというソフトはその操作や挙動に一定の癖が有りそれを理解する必要性はあれども、十分に使えるソフトではないかと感じています。特に、PhotoshopIllustratorを使わずに殆どの作業が完結するのは素晴しいと思います。

そのiWebの開発チームの方々に対して、もし要望を言える立場に有るとしたら、是非とも以下の点の改善をお願いしたいと思っています。

1.テンプレートのフォントの指定に関して、必ずしも日本語に則さない点が多い
2.メタタグを入力出来ない
3.テーブルを作れない
4.Blogのトラックバック機能がサポートされていない
5.アップルのASPである.Mac以外に書き出す場合は全ファイルを置き換える事になる(差分のみのアップロードが出来ない)
6..Macでは、アクセスログが提供されない

その中でも特に2が問題なのです。まだ原因は特定出来てはいないのですが、実は以前は検索エンジンでヒットしていた当社のウェブサイトが、まったく見つからなくなっているのです。また、このBlogに至っては、サイトを指定してもまったくかすりもしない状態が続いています。検索エンジンに少しでもヒットする様にと、iWebで生成されたHTMLファイルに後からテキストエディタを使ってメタタグを手入力したりしていますが、今の所改善された様子は見られません。もしかして文字コードUTF-8)が原因なのでしょうか。
※論点がずれているようですが、ここで言うiWebの問題はメタタグを入れれない事です。検索エンジンにヒットしないのは別の原因の可能性があります。
折角、新年の意気込みで始めたBlogと会社のウェブサイトがこの様な状態と言うのも寂しいものです。ただ、妙な事に昨日はskypeを通じてエストニアの25歳の女性(写真では美しい方でした)と中国の男性二人から連絡が入ったりしましたが...。

ここ数日、こんな事を考えたり試行錯誤をしているなかで、昔執筆したニュースレータの記事を思い出しました。少なからず関連するテーマに触れていますので、ちょっとご紹介したいと思います。この検索エンジンの問題と、個人が発信するメッセージが企業活動に及ぼす影響の可能性に触れたものです。去年の4月の記事ですので、記事中のリンクの幾つかは切れてしまっているかもしれません事、予めお詫び致します。

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□トピックス:SEOと消費者広告

インターネットが、企業活動の特に消費者に対する情報提供という側面において、もはや無くてはならない存在になっている事は誰もが認める所でしょう。商品や製品の情報を提供したり各種キャンペーンを行なったりと、その活用方法も実に様々。最近では、企業のホームページ内にではなく、個別の製品独自のウェブサイトを構築する事も決して珍しい事ではなくなって来ています。
その様な背景のもと、今月は二つのトピックスを取り上げてみたいと思います。
まずは、SEO。これは、日々刻々とアルゴリズムが改善されて行くインターネットのサーチエンジンに対して、如何に自社のウェブサイトや製品が消費者にもれなく検索され、しかも検索結果の上に来る様にするか、その手法を提供すると言うもの。SEOとは、Search Engine Optimizationの略称で、SEOコンサルティングを事業とするベンチャー企業も出て来ています。

Yahoo!やGoogleで検索した結果が、1頁目に来るのかそれ以降の頁なのか、1頁目内だとしても上に表示されるか否かでは、その露出効果には雲泥の差があります。ひょっとすると、検索エンジンやポータルサイトの究極のビジネスモデルはここにあり、且つ検索エンジンがあらゆる企業のマーケティング活動の成否の大きな部分を握る可能性があるのではないかとさえ、思えて来ます。少し前にBMW社等がGoogleの検索対象から外されたというニュースを憶えていらっしゃる方も多い事でしょう。
同様に、富士通のパソコン「FMVシリーズ」の「地底人は誰?」というテレビCMを見た時に、じゃあ皆が勝手に「地底人は誰?」という言葉を自分のウェブサイトに掲載したらどういう事になるんだろうと考えましたが、やはり同じ事を考える人は多いようで、本稿の準備時点で、14万件以上がヒットしています。ただ、Googleの場合は最上位には(スポンサーとの表示付きで)地底人の正体が明かされていると言う頁へのリンクが来ていますので、話題性を振りまいたと言う意味でも、ブロガーの悪戯心をくすぐったという意味でも、CMの効果は大きかったという結論になるのではないでしょうか。
いずれにせよ今後の企業のマーケティング活動の重要な指針の一つに、「検索エンジンの機嫌を損ねない事」という一文が入るとしたら、それは少し考えさせられますね。

もう一つのトピックスは、消費者広告です。
まずは、下記のリンクにある「SONY Transformation」というビデオをご覧下さい。作品としても、製品(しいては企業)のメッセージ性という意味でも、驚く程良く出来たプロモーションCMであると思います。メーカも驚くこのCMを制作したのは実は個人。
ビデオを個人で作成して配信できる環境が現実のものになっている今日、ますますこのような作品が出現してくる事は明白であり、かつ消費者の視線からの作品は製品を提供する側の企業にとっても見逃せないといった潮流になりつつあるようで、時にはコンテストと銘打った手法を使い作品を集める動きも出ている様です。
検索エンジンというサービスを提供する「大企業」、そして製品に対する愛着や(時にはネガティブな)メッセージを独自のビデオ作品によって世界にアピールする「個人」、インターネットマーケティングという切り口において両極に位置するこの二つの事象、何年か後にはどの様に変わっているのでしょうか。

BMWとリコーの独サイト、SEO対策問題でGoogle検索から削除
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0602/07/news003.html

「地底人は誰?」がSEO違反?
http://blogs.itmedia.co.jp/pina/2006/04/seo_d4a9.html

SONY Transformation
http://www.makevisual.com/movies/sonystyle1.html

「草の根ビデオ広告」に便乗する大企業の期待と課題
http://japan.cnet.com/special/story/0,2000056049,20101204-3,00.htm

写真:まだまだ改善の余地は沢山あるiWebiLife’07の発売は何時頃になるのでしょうか?